この事業は、地域と学校、家庭が手をとりあい、まちぐるみで取り組むふるさと学習やキャリア教育=「うらほろスタイル教育」を通じて、子どもたちが変化の激しいこれからの時代を、社会の当事者、創り手として生き抜くための力を育むことを目的としています。
義務教育課程(小中学校)9年間の中で、主に生活科や総合的な学習の時間を活用し、「うらほろスタイル教育」を実施しています。浦幌町の歴史や文化、基幹産業である農業や林業、漁業などの第一次産業を体験的に学び、その中で感じたまちの魅力をPRしたり、課題を見つけ、解決に向けたアプローチを行います。教員を中心に、それぞれの学年や発達段階に応じたカリキュラムを構築しています。
「うらほろスタイル教育」の過程で子どもたちは、多くの地域の大人(家族や先生以外の他人)と出会います。体験を通じて地域の歴史や文化、産業などを知識として得るだけではなく、多くの大人と出会い、接してもらう中で、人々に大切にされていることを感じます。家族や先生以外の他人から大切に受け止めてもらうことは、自らの尊厳を実感する機会となり、やがて自己肯定感・自己有用感の醸成、さらには地域への愛着や社会への当事者意識の形成につながります。そしてそれが今度は、更なる挑戦や学ぶことへの原動力となり、適切に他者に頼り、他者に貢献をしながら様々なことを乗り越えていき、社会の当事者、創り手として成長していってくれることを願っています。
町内の農林漁業者宅に、1泊2日泊まり込みで生活体験を行います。(1家庭に対し約児童3~4名)
作業体験を通じ、産業理解をはかるとともに、初めて会う他者に、ありのままの自分を家族の一員として受け入れられる体験を通して、自らの尊厳を実感する機会となります。
大好きなふるさと浦幌をよりよい町にするための企画を地域の大人たちへ提案します。企画は大人が真剣に受け止め、実現への道を切り拓いていきます。近年では、生徒たちも企画の提案に留まらず、自ら実行に移す活動を行うこともあります。ここでも大人たちは生徒たちの想いを受け止め、生徒が自らの想いを実現できるようサポートします。
私達が次世代を担う子ども達に伝える事は何なのか・・・?
町に住んでいて身近に第一次産業があるのにも関わらず、第一次産業やそれに携わる人々がどのような暮らしをしているのか知らない子どもたちが多い現状があります。子ども達が生きるための食糧の生産現場で農業や漁業、林業等に関わる家庭での宿泊生活体験を通して、食や命の大切さ、そして第一次産業を目で見て触れて肌で感じるととにより理解を深め、地域の人と人との触れ合い、そこで暮らす人々の心のぬくもりや、人としての価値観を再認識するとともに、食べ物への感謝の心・生産者への思い・生産地に暮らしている事への誇りなどに気付き、他人の家で生活する事により礼儀や挨拶など様々な人間性を育むととが重要です。学 校、保護者、地域全体で次世代を担う子ども達の教育に関わり、地域の人材育成の場をつくることが今求められています。
うらほろ子ども食のプロジェクト 事務局長
民泊体験学習受け入れ家庭
岡田 愛啓